忍者ブログ

よいこわるいこふつうのこ

にんじゃなんじゃもんじゃ
MENU

ENTRY NAVI

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

バトンと妄想

強制バトン だそうです。

*指定された人見た人は必ずやること!
だそうですが、別にやりたいひとがやればいいとおもいますよん。

1.最近思う〈竹谷〉
つくづくかわいいなこいつ。
とても常識人でいい人のような気がしてならない。

2.こんな〈竹谷〉には感動!!!!
がんばれーがんばってくれーの手の小ささ。
なにこいつ五年生のなかで一番幼児体系なんじゃないの。
なのに性格が体操のお兄さん(さわやかで面倒見がいい)なところ。

3.直感的な〈竹谷〉
かみのけやきそば。
ガタイのいい男前お兄さんタイプ。でも、アニメ見ているうちにこいつはどうも違うぞと思い始めた。

4.好きな〈竹谷〉
きがつくとこどもとちょうちょに囲まれている竹谷。

5.こんな〈竹谷)は嫌だ!
がきうぜえ。まじめんどくせえ。虫きもい。

6.この世に〈竹谷〉がなかったら・・・
久々知「泣いてしまうだろう」

7.次に廻す6人(キャラ指定付きで)
やりたい方やってください。ただしキャラ指定は伊助で!伊助を空気と呼ばないでくれ!

***

生物係の「青い鳥(要英訳)」を聞いていたら、5年の女体化テニス妄想が浮かんできて駄目だった。パワーファイターはふつう竹谷に設定するところをあえて久々知で押したい。久々知は一番幼児体系で背も低いんだけど、テニスの天才で両手でラケット握ってめちゃくちゃ力強い球を打ってくる。モブに、「い、今ガットがすごい音立てたぞ・・・(ごくり)」とか驚かせたい。ライバルはイギリスウィンブルドンからの帰国子女斉藤さん。金髪色白の超絶美少女。お嬢様校で名高い4年生高校に通っている。性格がすごくいい人なので、久々知が街で会うたび「ライバルとは口利きません!べーだ。ばーかばーか、いひひ!」と笑って行ってしまうのを悲しんでいる。<久々知は少しあほの子かもしれません。
竹谷は髪の毛が焼きそばだけど明るくていい子。試合で点が入るたび満面の笑みで「よっしゃー!」ってガッツポーズするからファンからスマイルちゃんと呼ばれている。貧乳のことを言われると言葉に詰まる。でも、テニスを教えてくれた近所の留兄は、「ま、貧乳のほうが動きやすくていいんじゃないか?」とよくわからない慰めをくれる。留兄にボディマッサージしてもらう時間が人生で一番幸せなとき。

***

ふう。じゃ、仕事やるか。
PR

お返事

いつも拍手&コメントありがとうございます!お返事させてください~。

1:57 にょたいかたのしいです!ありがとうございます!  の方
や、こちらこそにょたいかたのしいです。ほんとにありがとうございます。

 0:53 更新楽しみにしてますvv   の方
ありがとうございます。こういうコメントいただけるとなんかホッとします・・・。(更新してもいいんだ的な意味で)

2:32 ~女体化と竹谷に綺麗に目覚めました。~ の方

ヤッター!竹谷も女体化もはまるととても楽しいものですよ。おいでませおいでませ。もったいないようなお言葉もありがとうございます。拙文ですが、そういっていただけたらほんとにありがたいです。
>勝利の女神でこんな応援をしたことを知った久々知先輩はさぞや不機嫌なのだろうなぁとか考えてにまにましております…
なんという妄想のタネを!あ な た が 萌 え 神 様 か !!
妄想してみました。
『勝利の女神、のち』
忍たま寮5年い組久々知兵助の部屋に、向かい合って座るふたりの男女が一組。男はせつせつと何かを説き、女はただただ項垂れている。
「あんたねえ、いい年をした女性がどういう応援してるんですか。金に困ってるわけでもないんでしょう、そんなに学園長からのおこづかいが欲しかったんですか。だからってあんた、まさか、パン・・・ごほん、下着を見せるなんてどういう神経してるんだか」
「だ、だってみんながやろうって」
「みんながやればあんたもやるんですか!そういう日本人の連帯主義は古くから批判されるべき国民性とされてきたはずですよっ!」
バンバンッ、と兵助の手のひらが畳をうつ。埃がこふこふと吹き上がった。
「すみません・・・」
「ごめんですんだら日本に猥褻物陳列罪なんてありません」
女の瞳はうるうると涙で潤みきっている。少し動けばすぐにでもぽろぽろと涙が零れ落ちてしまうだろう。
「反省してますか?」
「してます」
「何で俺が怒ってるかわかりますか?」
「わ、私が兵助以外の人にぱんつ見せちゃったからです・・・」
「ちーがーいーまーすー!!」
兵助が顔を売れたトマトより真っ赤にして叫んだ。「俺以外の人、という言葉が余計です!つまり、俺は他人に簡単に下着を見せてはいけないといっているんです!」
おおぐちをあけてわあわあと喚きたてる年下の恋人にタカ丸は可愛らしく小首を傾げた。
「・・・俺が、兵助にならぱんつ見せてもいいと思ってるのは、兵助にとっては迷惑なのかな?」
兵助はぎょっとした。それから、真っ赤な顔をうつむかせて、「なんて人だ、あなたは」と言った。
「いけないひとだ」
「怒るの?」
「怒ります」
兵助はそれからタカ丸を抱き寄せた。タカ丸が嬉しそうにしがみついてきたので。「怒ってるんだぞ」といって、力をこめてぎゅうっと抱きしめた。
  
0:54 長編の新作お待ちしていました!~ の方
現在あんな感じのとこで止まっちゃってますが・・・伊作もそろそろ出せるかと思いますので、今後とも読んでいただければ嬉しいです。ありがとうございました。

23:33 長編の最新話拝読しました!~ の方
鉢雷の関係性は、いろいろ妄想しましたが結局のところ恋人同士になる一歩手前のところが一番萌えると思いました。恋人じゃないんだけど、お互いにお互いが一番大切っていう・・・。そんでそんな相手の思いをお互いがきちんと理解しているっていうね。誰も邪魔できない感じでいいですね。でも恋人同士じゃないんですね。告白しないのかなあ、と久々知は思ったりするんですが、いまさらもう言葉なんか必要ないよと三郎も雷蔵も別々に笑うのですね。そういう鉢雷をよいこわるいこは応援したい!

19:09muryan様
あ・・・私の返信で変に気を使わせてしまったならすみません。コメントいただけるだけでもうめちゃくちゃ喜んでますので、内容とか、全然悪いものでもなかったですしどうか気になさらないでくださいね。お忙しそうですが、そのなかで定期的にコメントを寄せてくださって、本当に、私のほうも読むのを楽しみにしております。ありがとうございます。

12:49 は組死にねたシリーズを三作とも読ませていただきました。~ の方
死にネタなんてあんまり好かれないと思うのですが、読んでくださって、しかも好意的なコメントまで寄せてくださってありがとうございます。今後もぽちぽち書いていってコンプリート目指したいです(嫌な目標だな)!

しょうもない男

唐突に思い浮かんだから文仙。お互いにお互いが好きだけれど、まだ気持ちを確かめ合っていないころの空気が好きですよ。そういう話。


餓鬼大将がそのまま大きくなったような、と綾部が文次郎のことを評した。それはちょうど文次郎が旅先で腹を壊し、蒲団に包まりながらうんうんと唸っているときだった。襖を開けて、文次郎が痛みを堪えて転がっているのを壁にもたれて見下ろしながら、ぼそりと呟いた。
文次郎の枕元に腰を落ち着けて本を読んでいた仙蔵は、綾部の薄情な言葉に遠慮なく吹き出したけれども、当人の文次郎は脂汗が浮いたままの青黒い顔で綾部を見上げたまま、案外大きな眼でぎょろりと睨んだ。
綾部は意に返した様子もない。視線を仙蔵に転じた。
「女将に医者を呼ぶよう頼んできましたよ」
「あァ、すまんな」
仙蔵はにっこり微笑んで、読みかけの草紙を遠慮無しにぱたりと閉じた。綾部はきっちり着込んだ浴衣で懐手をして、相変わらず生真面目な表情を浮かべて仙蔵を見つめ続けている。仙蔵は視線を上げてもう一度微笑んだ。人を小ばかにしたような笑みの得意な人だけれども、素で笑うとそれは小春日和の日の陽光にも似て柔らかな暖かさを持っていた。
「何だ」
「街に行きませんか。女将に聞いたんですが、この季節だと紀ノ川のほとりが花が満開で大変綺麗だそうですよ」
「そうだな」
仙蔵はどっちつかずの返答をして、穏やかな目で文次郎を見下ろした。文次郎は渋い顔をしている。ひとりで寝ていてもつまらない、出来るなら仙蔵には一緒にいて欲しいが、もともとこの旅行は自分が言い出して無理やり仙蔵を誘ったものだ。俺はお前が心配しているようなことをするつもりはまったくない、まったくないけれども、どうしてもふたりきりがいやなら綾部でも誘え、と言って、文次郎のほうで勝手に綾部のぶんまで旅の手配をして、そうして発ったのだ。そうでもなくとも、自分が迷惑をかけている自覚はある、声を大にして「行くな」とはいい難いのだろう。仙蔵はそんな男の心情などすっかり把握していて、わざと焦らすようににやにや笑っていたが、やがて
「やめておこう」
とあっさり返した。綾部はそうした返事が返ってくるのは予め承知していたようで、殊更残念そうな表情も見せず、「そうですか」と頷いただけだった。
「こいつは私が見てるから、綾部は行ってくるといい」
「そうします」
綾部は頷いて、襖を閉めると浴衣を脱いでに衣姿に着替え始めた。準備が終わった後には、いそいそと脱いだ浴衣を丁寧にたたみ始める。最近かわいいこの後輩が執着している髪結いの少年に、脱いだ浴衣はきちんと畳むことを約束させられたらしい。その几帳面が似合わない後輩の小さな背中を仙蔵は団扇を片手ににこやかに眺めている。その様子が、文次郎には自分も連れて行けと訴えているように見えたのだろう、
「仙蔵、お前も行け」
と言い始めた。仙蔵は持っていた団扇を文次郎に向けて揺らしながら、
「行かん」
と軽く答える。頑固な男は、口を真一文字に結びながら、なおも「行け」と声高に命じた。小銭入れを手に取った綾部は振り返って二人の遣り取りを眺めた。
「俺は平気だから行って来い」
と言い張る文次郎に、仙蔵は団扇で親友と自分を交互に扇ぎつつ「ここにいると言っておろう」とのらりくらりと対応している。
「潮江先輩、餓鬼臭いことはお止めなさい」
綾部はそれだけいうと、あとは知ったことかとばかりに部屋を出て行ってしまう。唖然とする文次郎の傍らで、仙蔵は今度こそ声を出して笑った。


(潮江先輩、立花先輩はほんとは私を誘って欲しくなかったんだと思いますよ)

この鈍感男。

青葉若葉の輝きに

そういや久々知って文武両道でしたね、という話。



「神様の傑作のひとつ久々知の頭脳」と、そんな歌が五年の間で流行った。つくったのは同級生の誰からしい。テスト前にこの歌を答案用紙の端に書いておくとご利益があって落第しないというんで、試験間近になるとみんなが躍起になって歌を口ずさみながら教科書を睨んでいるのだった。
竹谷は本気で取り合わずに、そんな歌を覚えるくらいならそのぶん単語の2個や3個を覚えたほうがよっぽど及第すると吹聴していた。しかし、あるとき、どうしても解けない問題があって頭を抱えていたところ、藁にも縋る気持ちでノートの隅にこの歌を書きつけた。すると、ふいに今まで思いつきもしなかった解き方がむくむくと脳裏に浮かび上がり、せっせとノートに筆を運ばせたらするすると解答が出来たので、びっくりして胸がときめいた。
それから程なくして久々知に会ったとき、
「試験の神さま!」
と呼んだら、彼は顔を赤くして怒った。
「お前までそんなことを!頼むから馬鹿な迷信に騙されないで、必死で勉強してくれよ」
「でもな、兵助、聞いてくれ。例の歌は確かにご利益があるようだぜ。俺は先日どうしても解けない問題があったんだが・・・」
「偶然だ、偶然!」
久々知は聞きたくもないとばかりに耳をふさいで、殊更に声を荒げる。竹谷はそんな久々知が可笑しくてにやにやと相好を崩しながら、無理にでも話を聞かせようとする。背中から伸し掛かって耳もとに口を近づけては久々知神話を嘯く。久々知の迷惑はわかるし、実際気の毒だなとも思うのだが、彼をからかうのが面白くて堪らない。ただし、自分以外の同級生が久々知神話を殊更に崇拝するのは気に入らないらしく、竹谷はジャイアニズムを全開させて同級生を怒鳴りつけた。
「兵助に頼らず、己で勉強しろッ!!」
傍らで佇む久々知は、そんな竹谷の耳を引っ張って捻る。
「お前がそれを言えた義理なのか」
「俺はいいんだ。でも、他は駄目だ」
「なんだそれは」
久々知が呆れた表情を浮かべると、竹谷はにっこりと笑って、そのまま話を終わらせた。久々知は溜息をついて、再び並んで歩き出す。
試験前はどうしても精神が鬱屈するもので、それは落第からは縁遠いはずの久々知とて例外ではない。趣味でする読書は面白くもあるが、勉強で読まされるそれはどうしても脳が拒否する。何もかも放り出して何処かへ繰り出したくなるのを、理性が引き止めて、そのぶん腹の辺りがもやもやする。窓から見える景色は、五月の真っ盛りで空も瑞々しい葉をいっぱいに広げた木々も青々として生命に満ちている。こんな風景を前にして、建物の中に囚われているのは至極不健康な気さえする。
「ああ、遊びに行きたいなあ」
久々知がぼやいた。竹谷はにこにことして、
「うん、じゃあ、遊びにいこうや」
という。これには久々知が呆れてしまって、顔を顰めた。
「試験前にそんなことする勇気はないよ」
「忍者に一番必要なのはきっと勇気と負けん気だぞ」
「だから出かけても好いって?」
「お前の言う遊びって、鉢屋と違って、明るいときのほうだろ?じゃあ、握り飯を持って、何処か遠くへ行こう。俺は裏裏山へ行きたいな」
竹谷は久々知の言葉を耳に入れずに、どんどん話を先へ進めていってしまう。
「呆れた。行きたくばお前だけで行けよ」
「おい、俺は兵助が望むからいうんだぞ」
「俺はハチが俺と机を並べて勉強してくれることを望んでいるよ」
「一緒に握り飯食って太陽の下を走りまわろうや!」
「試験が終わったらな」
竹谷は立ち止まる。久々知は気にせず先に歩を進めた。どんどん距離を離してもいっこうに追いついてこないので、仕方無しに振り向く。竹谷は恨めしい顔でこちらを睨んでいる。
「つれない!久々知がつれない!久々知君はもう俺のことなんて嫌いになってしまったんだ」
「そうだ、勉強をしない竹谷君なんて俺の親友じゃない」
言い返しながらも、久々知は律儀に竹谷のほうへ引き返していく。
「お前が遊びたいだけのくせに」
「う~ん、若い者が狭い校舎に閉じ込められているというのはよくないと思うんだよ」
腕を組んでもっともらしく唸る竹谷に、久々知の表情に笑顔が浮かんだ。それは、苦笑に近い。この男の言動はいつも何処か茶目っ気たっぷりで、傍にいていつも笑ってしまう。
「試験が終わったら、本当に何処か遊びに行こうぜ」
「山がいいな!」
「俺は海がいい」
互いに肩を叩きあいながら、再び歩みを再会する。廊下ですれ違うたびにクラスメイトが近づいてきては久々知を拝んだりわからない問題を尋ねたりする。久々知はそのいちいちに律儀に答えながら、試験が終わるまでの長くて短い三週間を指折りで数えた。その向こうに、彼らの夏がある。

紛れて誰を言え

上級生の成長ネタを考えたときに、これしか思いつかんかった。

モブ×タカ丸で18禁とか嫌過ぎるって人は読まないでください。

---------- キリトリ -----------

男を抱くのは初めてだった。坊主じゃあるまいし、男なんてなァ。
そう思いながら彼は組み敷いた男の身体を思うまま揺さぶっている。青年にしては高い声の持ち主だったが、喘ぎ声となるとますます女のそれと区別がつかなかった。そのくせ本人は気にするところもあるのか、声を抑えようと唇や手の甲を噛んで耐えようとしているところが余計に刺激的だった。
向こうから誘ってきた。
髪を梳いていたはずの指がつうと首筋を辿り着物の袂に滑り込み、熱い息を吹きかけられながら「俺みたいのに興味はありませんか」と誘ってきた。その手管があまりにも慣れていたから、この髪結いはときどきこうして客をつまみ食いしているのだろうと知れた。誘惑に慣れきった様子からどれほどのものかと思っていたが、抱いてみたら未通女のように恥らうのが以外で、嗜虐心を誘った。気まぐれで誘惑にのってみたが思わぬ当たりだった、と男は内心でほくそ笑んだ。
畳の上に明るい髪が散っている。それが、腰を揺するのにあわせて動いている。その様を、男は快楽に溺れ切ってぼんやりした頭で見つめていた。
「お前、とんだ好きものだな。男に抱かれてよがってるなんてよ」
嘲るような調子で言ったら、頬をうっとりと染めて美しい髪結い師は喘いだ。
「お客さんが特別上手なんだよ。・・・あっ・・・ねえ、次もここに来ていい?」
「そりゃだめだ。俺ァ三日後にはこの街をでてくんだよ」
「仕事?」
「ああ」
「そう・・・んんっ・・・放下師も大変なんだあ・・・」
今度は何処へ行くの、と訊ねられて男は「西」と答えた。
「西?西は戦をしているって聞くよ」
「ああ、あの戦はもうすぐ終わるからいいんだ」
組み敷いた若く美しい髪結いの瞳が、剣呑に光った。
「へえ・・・その話、興味あるなあ。詳しく聞かせて」
白い腕がにゅうと伸びて、甘えるようにからめとるように男の首に巻きつく。自分から男に腰を押し付けるようにして、甘い声を漏らして身体を反らせる。その姿がひどく官能的で、男は生唾を飲み込んだ。


「と、いうわけだそうです」
美しい髪結い師は今度は朗らかな笑顔で行商人に向かい合っていた。行商人は猿のような顔をしている。そのくせ、背格好だけは手足が長くどこかたくましいような体つきをしているからちょっとした可笑しみがあった。
「そうか、ありがとう」
行商人は丁寧に挨拶をして深く頭を下げた。途端に、髪結いは笑い始めた。
「行商人が髪結いにそんなに丁寧に対応したら可笑しいでしょう、鉢屋君」
外ではじりじりと焦げるように蝉が鳴いていた。ああ、暑い、と髪結い師は手の甲でうなじの辺りを拭った。濡れた髪が首筋に細く張り付いているのがひどく官能的だ。わかっている仕草だと対峙する鉢屋は思った。人がどうすれば欲情するか知っている誘惑の仕草だった。髪結い師は細く白い腕を伸ばして、少し離れたところに置かれた団扇を取った。暑いでしょう、とゆったりした手付きで、鉢屋を扇ぐ。その様子も、手招いているようにすら見える。
仕事で再会してから逢うのは三回目。やはり、(変わった)と鉢屋は思う。卒業後初めて会った先日も驚いた。
タカ丸は間諜役としてずいぶん有能であるようだった。
四年に編入した、という意味を当時学園の生徒だった鉢屋もはっきりと理解していた。5、6年の上級生は誰もがわかっていたに違いない。タカ丸は、忍者を目指すにしては成長しすぎていた。学園長が4年に編入させたのは、初めから間諜役として大成させるためだったのだろう。それならば、運動能力の有無はそれほど関係がない。ようは人付き合いの上手さだ。それから、相手を引き込む官能の手管を駆使できる技量。4年には、房術の実技が組まれていた。学園長はタカ丸にまさにその技を習わせようと考えて4年を選んで編入させたに違いなかった。
昔はもっと、無邪気な美しさがあった。人が与える愛に、いい意味で鈍感だった。愛されることに慣れていて、変に技を使ったりすることがなかった。いつも素のままでいて、その飾らない素っ気無さがタカ丸の美しさを形作っていた。十五にしては泣いたり笑ったりと感情表現が忙しい人だった。それが見ていて飽きなかったし、誰の目にも好ましいものに映っていた。
目の前で動くその人には、その頃の面影はあまりないようだった。人に愛されるための「振り」を身につけてしまっていて、タカ丸の昔を知る鉢屋にはそれが残念なことのように思われた。
「不破くんは元気」
「元気です」
「今は君と双忍をやっているのでしょう。去年はナメタケの戦を平定した」
「これは参った。よくご存知で」
「この仕事をやっていると、どんな話も入ってくる。君が五年だったとき、一年は組にいた黒木君を覚えている」
「・・・ああ、庄左ヱ門ですね。ええ、覚えています。一緒に学級委員長委員会をやっていた。聡明でいい子だった」
「彼は先日死んだ」
蝉の合唱が止んだ。鉢屋は暑くて、頭が真っ白になるかと思った。言うべき言葉が見当たらず、仕方がないから黙り込んだ。忍者だから何時死んでもおかしくはない。そういう意味では驚いていない。だが、知ったものが死ぬというのは、どんなに覚悟していても、悲しい。
タカ丸が視線を落とした。崩れた脚が髪結いの衣装の裾からチラリと見えて、その肉がなまめかしい。陶器のような白い肌がひんやりと涼しげにうつった。
「この仕事をやっていると、色んな話を聞く。ひとの生き死にも耳に入ってくる。僕が学園に入ったときに知り合った子も、何人かはもう死んでしまった」
今日はどこまでも風がない。じわじわと温い空気にゆっくりと絞め殺されていくような心地がする。
「兵助の行方は?入ってきますか」
タカ丸が顔を上げた。首を振って、少しはにかむ。その表情が泣きそうに強張っている。
「兵助の情報だけ入ってこない。・・・どうやらつくづく優秀な忍者らしいよ。誰も何も、兵助の行方を知らないと言うのだもの」
伏せた瞳の睫毛がふるふると揺れている。鉢屋も視線を落とす。よく磨かれた床板はひんやりと涼しい。
卒業後、兵助はどこぞの忍者隊に入ったと聞いた。優秀だったから、卒業前はたくさんの忍者隊から声がかかった。どこを選んだかは、もちろん、友であっても言わないのがふつうだったから話題にも上らなかった。
鉢屋は、兵助がタカ丸を恋うていたことを知っていた。
「間諜役ならば、いい。それなら死ぬ確立だけは、少ない」
兵助は何度もそんなことを言っていた。己に言い聞かせる類の言葉だったのか。本当は、兵助は、タカ丸を忍者にしたくなかったのだろう。


行方不明の兵助。

× CLOSE

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

フリーエリア

最新コメント

[06/22 すがわら]
[06/22 すがわら]
[06/22 muryan]
[06/22 muryan]

最新記事

(04/04)
(09/07)
(08/30)
(08/24)
(08/23)

最新トラックバック

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

アクセス解析

アクセス解析

× CLOSE

Copyright © よいこわるいこふつうのこ : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]