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こんなめに君をあわせる人間は僕の他にありはしないよ⑪

長らく更新皆無でほんと申し訳ないです。えへへ・・・。
忙しかっただけで忍たま熱が下がったわけじゃないんだぜ。ほんとだぜ。その証拠に16期のタカ丸の贔屓されっぷりに喜んでいるぜ。とりあえず、「お気をつけて~」のメイドタカ丸を100人ほどこちらに寄越せ。

・・・綾タカいいなあ・・・(ぽつりと)。


拍手ありがとうございました。正直もう誰も来ていないかと・・・嬉しかったので。


⑪不気味な男、あるいは市中の騒動


壁に身体を押し付けるようにして伸し掛かりながら、長次はタカ丸の身体をなぶるのを止めない。タカ丸が顔を真っ赤にして、叫びだしたいのをこらえていると、耳元で低い声がもそもそと囁いた。
「外に忍びがいる」
「・・・っ、」
先ほどの不気味な男を思い出してタカ丸は身震いした。あのねぶるような視線は、己の正体を見極めるためのものだったのか。見つかったらどうなるのだろう。殺されるのか、あるいは・・・。
まだ忍者を目指して日の浅いタカ丸は、忍者の暗い影の部分は見せてもらわずに済んでいる。しかし自分を取り巻く状況は、いつだって暗い闇の中にある。父親がそうと知れず守っていてくれただけだ。父親が忍者になることを反対しているのは気付いていた。それでも、わざと言葉の意味を取り違えたような振りをして忍術学園に来たのは、自分の身を自分で守りたいと思ったからだった。そうして力をつけて、父親の身も自分が守ることができたなら。
ぴたりとくっつけた身体からはやる鼓動を聞かれたものらしい。長次の拳がとんとんとタカ丸の跳ねる心臓を上から叩いた。
「荒い真似をしてすまん」
「大丈夫です。長次さん、ありがとう」
自分に読唇は無理だが、この男ならそれもできるだろう。タカ丸は声を出す代わりに、長次の太い指を己の唇へ誘ってその動きを辿らせた。


一方で久々知である。こちらは七松小平太の強烈なタックルを受けた挙句、上から伸し掛かられて潰れかけている。
「退いてください~」
低い声で唸るように言っても、小平太は名前でも呼ばれたらかなわんとしきりに口を塞ごうと躍起になってくる。驚くほど色気のない女がしきりに接吻を迫ってくるのだ。久々知は胡乱な表情をした。
だが大方の事情はそれで知れた。久々知が身体を摺り寄せてくる小平太を押し退けながら顔を上げると、柳の下に立っていた視線の鋭い男が、タッと駆け出した。
「先輩ッ!」
思わず声をあげる。小平太もとうに気付いていたものらしい。
「おう!」と叫んでそのままその男を追いかける。久々知は一瞬迷った。感情は、店内に入ってタカ丸のもとへ行きたいと叫んでいる。だが、追跡をひとりにやらせるものではない。久々知はすぐ身を翻すと、小平太のあとを追った。理性で動けぬものに忍びを語る資格なし。あとでタカ丸に詰られても、それこそ無様に土下座でもして謝ってやろうではないか。本望といったところだ。


「動いた」
長次が顔を上げた。その呟きに、タカ丸も外を見る。不気味な男はとうに消えていた。久々知が身を翻して小平太とともに後を追うのを見た。
長次はスッと身を放すと立ち上がってタカ丸の腕を引いた。
「行くぞ」
「後を追うんですか」
「逆だ」
長次は財布ごと店の机に投げ出すと、タカ丸の腕を引いたまま、男が駆けて行ったのとは逆の方向へ走り出した。

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