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花火大会の夜

リクありがとうございますー!

というわけで は組女体化。

花火会場に向かうまでの電車の中は、いつも以上に混んでいた。ぎゅうぎゅうと押し合い圧し合いする乗客たちの何人かは伊助たちと同じように浴衣を着ている。
「帯が崩れる、髪がほどける!」
悲鳴をあげる兵太夫に伊助と三治郎は苦笑いした。喜三太は乱太郎の袖に掴まって心ここにあらずな表情でぽやんとしている。伊助のうちに集まって浴衣の着付けをしてもらった後、みんなで揃って花火大会に連れ立った。は組の男メンバーはもうついているだろうか。きり丸あたりが「遅い」といって怒るかもしれない。
「すごい人だね」
「ね。しかもカップルばっか」
「そりゃあねー」
ささやきあう中で、乱太郎が心配そうに喜三太を覗き込む。
「どうしたの、調子悪い?」
「ううん。金吾が、・・・」
「金吾?ああ、今日は一緒に行けなくて残念だったね」
金吾は今、剣道部の合宿で他県に出掛けていた。今日花火大会には一緒に来られない。そのことを寂しがっているのだろう、と納得する伊助に、喜三太は曖昧な表情で首を振った。
「ちがうの」
「え、何が違うの?」
「花火大会に一緒に行けないのも辛いんだけど、それで落ち込んでるんじゃないんだ・・・」
「どうしたの」
「金吾はよく向こうからメールをくれるんだけど、昨日は部活が終わった後みんなで花火をやったんだって。そのシャメが送られてきたんだけど・・・」
「けど?」
喜三太はごにょごにょと口を動かし、結局何も言わないまま「やっぱ言わない」といった。これにはみんなの非難が集中する。
「喜三太あ~」
恨めしそうに名前を呼ぶ兵太夫に、喜三太は困った顔をする。
「だってみっともないんだもん」
「何が?」
「みっともない?」
「どういうこと?」
「・・・金吾には内緒にしててね。金吾のくれた写真に、金吾といっしょに可愛い女の子がうつってたの。いっしょの部活の子って、そんなことは分かってるんだけどさ、でもなんか、いやだなあって思っちゃって。最近このことばっかり考えちゃうんだ」
話を聞いた四人は顔を見合わせる。
「それは恋ね!」などと兵太夫あたりが騒ぎそうだとメンバーのだれもが思ったが、兵太夫は気まずそうに「それは気になっちゃうよね」と同意しただけだった。喜三太には恋の自覚もなさそうだから、からかえないのかもしれないな、と伊助は思う。
今日の髪型は、わざわざ予約を入れてタカ丸に結ってもらった。
「伊助なら予約無しでもよかったのにー」
と笑う彼女は、花火大会に向けて気合を入れて髪形を変えてくる客を捌くのに忙しいようだった。
「今日の花火大会にはいかれないんですか」
「こういうイベントの日はね、特に忙しいから、店の手伝いをすることに決めているんだ」
「ちょっと残念ですね」
「まあね。私の分まで伊助は楽しんできてね」
そう微笑んだタカ丸だって、やはり喜三太のような思いを抱えていたのだろうか。彼女に誰か好きな人がいるだろうことを、伊助は薄々感づいていた。その誰かが、タカ丸の知らないところで楽しむのだ。隣にどんな可愛い人や綺麗な人がいるのかもしれなくて。その人と、楽しそうに笑いあって、想い出を作るのだ。庄左ヱ門で同じシチュエーションを想像したら、胸が苦しくてたまらなくなった。
「喜三太せっかく可愛い浴衣着たんだから、ちゃんと金吾に写真送りなよ」
三治郎が微笑んだ。
「そうそう、思いっきり楽しくしているところを送りつけてやきもきさせてやりなよ!」
兵太夫の案に、それがいいと乱太郎も伊助も笑った。

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