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よいこわるいこふつうのこ

にんじゃなんじゃもんじゃ
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拍手お返事

拍手・コメントありがとうございます~!
お返事させていただきます。一応、更新再開してからいただいたコメントに対する返信になります。が、私の不注意で途中幾つかのコメントのログをとり忘れてしまい・・・本当に申し訳ありません。いただいたコメントはもちろんすべて読ませていただいておりますが、ログの消失を犯してしまったコメントだけ、今回お返事させていただくことができません。以後気をつけます。すみません・・・・

》全小説最高でした!!~ の方
 
お返事が遅くなって申し訳ありません。アップした小説すべて読んでいただいたようで・・・ありがとうございました。今後も萌えの限り突っ走っていこうと思いますので、よろしければまたいらしてください。

》 ~未だにタカ丸が長次にどうされちゃうのか(笑)続きを待ってます。 の方

お返事が遅くなって申し訳ありません。正直再開当初は「もうこの長編は誰も読んでいないだろう」と更新する気がゼロに近かったので、現在のありようを考えますと、本当にありがたいコメでした。 ありがとうございます・・・!(平伏)
 
》お帰りなさいませ!!~ の方

お返事が遅くなってしまう申し訳ありません。デヘヘ・・・出戻り・・・というわけではないのですが(ブランクはありましたが萌えは忍たま一筋でしたので)、またこうして萌えを吐き出す場に帰ってこれたのが嬉しいです。しかもなんか世間的に忍たま人気でてるし!凄い!嬉しいですね~Vスガワラも萌えの限り突っ走っていきますのでよろしくお願いいたします。

》 綾タカ大好きです!!~ の方

お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。くほう!綾タカお好きですか!綾タカいいですよね!綾タカももっとバンバン書いていきたいのですが、いかんせん不思議ちゃんの恋愛を描くのが難しく・・・長編でちょこちょこ綾タカを混ぜていくことで欲求不満を解消しています。綾タカファンもっと増えろ~増えてくださいお願いします~(祈)

》 「こんな目に~⑪」読みました~ の方

お返事遅れてしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。長編、あれよあれよとこんな展開になってしまいました・・・。なかなか終わらず風呂敷をどんどん広げていくかのような所業に呆れておられる方が多そうな・・・よ、よろしければ今後も読んでいただけると本当にありがたいです。

》現パラも秀作さんとのからみを見たいです~ の方

タカ丸と秀ちゃんのからみとなると、当サイトでは「あほのこ同士がきゃっきゃ騒いでいる」図になりますがよろしいか。実はタカ丸と秀ちゃんのやりとりは書いているとすごく癒されます。なんですかね、あのふたり、マイナスイオン出してるんですかね。あれで都会っ子とかね、もう、ほんと・・・(悶)
 
》女体化、いいですよね!!~ の方
 
結婚してください!!そんでスガワラと女体化について毎日語りましょう!ほんともう女体化最高!!濃い話をするとスガワラは女体化するとき必ずバストサイズについて考えるのですが、タカ丸は貧乳がいいと思っているのですがどう思われますかね!?・・・すいません自重します・・・

》女体化たくさんでホクホクおります^^ ~の方

女体化はスガワラのポリシーなので、今後もバンバン増えます。それだけは間違いないです。ほくほくしていただけると大変有難いです。なんていうか・・・ひとり遊びは悲しすぎますからね・・・。女体化はやめたくてもやめられない「病気」みたいなものなので、需要があらば救われます・・・ありがとうございます。
 
》~「恋は夕暮れ」の続きを、お願いいたします…!~ の方

う、うわあ・・・!ひとり遊びだと思っていたは組女体化 シリーズを読んでくださった方がいたあ!祭りじゃ祭りじゃわっしょいわっしょい!いーちゃんは書いているとき凄く楽しいので、また書かせていただきます~!っていうか、このシリーズ、スガワラの欲望が見事反映されていーちゃんがモテモテですよね。 でもまあ、少女まんがってそんなものだからいいか^^^^^^^^。

》~1はの現パラ話大好きで、なんども読み返しています!~ の方

うは!またそんなうれしがらせを!スガワラを喜ばせても妄想しか出てきませんよ!!また書きます!必ず書きます!仲のよかったは組が恋愛でなんか複雑な感じになっていくのが書いていてうはうはというか(最低)!よろしければ今後も読んでいただけると嬉しいです~。
  
》 依子様

は組を女体化した上、少女マンガのごとき複雑な恋模様を勝手に 織り上げてしまいびくびくしておりますが、 そんなふうに言っていただけると嬉しいです。とりあえずは組現パロのテーマソングは「いつだってエール」で。平成まもないりぼんやなかよしを思い出して読んでいただけたら!最終的には「~10年後~」のテロップとともに教会の祝福の鐘。タキシード服姿の庄ちゃんor虎ちゃんの腕に抱かれるウェディングドレスのいーちゃんでおながいします^q^。

》muryan様

お忙しいなかコメントいただきまして、ありがとうございます。嬉しいです~。そうですねー長編、あんなに大変なことが起っておきながら先生が動かないという矛盾・・・。スガワラに長編はあまりにも高レベルだったようです・・・ガクッ。もう絶対手は出さないぞ・・・!と後悔しながら毎度長編を最終回まで必死に引っ張っている有様で・・・お恥ずかしい。しかし、優しいお言葉ありがとうございます。子供のお遊びのような小説ばかりですが、気が向いたときにでも読んでいただけると嬉しいです。

》 長編が凄い楽しいです。~ の方

なんかだんだん取り返しがつかないようなところまで来てしまった長編。どう終わらせたらいいんですかね、あれ。楽しいといっていただけてありがたいです、本当に。そろそろほんとに最終回させたいと思っておりますので、それまで呼んでいただけると嬉しいです。よろしくお願いします!

》~【或る一生】が胸が苦しくてたまりません。~ の方

もったいないような感想をいただきましてありがとうございます。死にネタ好きなスガワラですが、好意的に読んでいただけて幸いです。きり丸は、あの子どものくせにとても覚めたところがどうにも、掘り深めたくて仕方ありません。萌とはまったく別の次元で。人間観察というか。その最初の一歩のような小説でしたが、書いていて勉強になりました。また死にネタやらかすような気がしますが、よろしければまた読んでやってください。

》 ~そして幸隆さんカッコいいです・・!~ の方

スガワラは斎藤家の妄想設定を作りすぎです。それがもろに出てしまった長編でなんだかお恥ずかしいです。幸隆さんかけて楽しかったです。でもあのエロかっこいい雰囲気はスガワラの技量ではとうてい書き表わせず・・・また挑戦したいです!嬉しいコメントありがとうございました。
 
》~タカ丸可愛い>v<v の方

コメントありがとうございます~。タカ丸ほんと可愛いですよねはあはあ。あの可愛さはスガワラではとてもじゃないけれど書ききれません。毎回の小説が特訓のようなものです。いつかN○Kの神の領域に到達してみたいものです(恐れ多い)ほんともう・・・N○Kはどうして毎回あんな犯罪のように可愛いタカ丸を作り出すのか・・・
 
》タカ丸の背中を綾部が撫でるシーン、ボロ泣きしました。~ の方

なんだかタカ丸をひどい目にあわせてしまって、読んでくださった方に殺されやしないかとドキドキしておりますが・・・そんなふうにいっていただけるとありがたいです。綾タカの片鱗が出せたというか・・・今回の傷撫ぜで少し自分なりの綾タカがまとまったような気がします。いつか綾タカメイン小説書くぞー絶対!

》ところで10話目が抜けているように思うのですが、~ の方

申し訳ありません。⑩はあげてから気に入らず即消ししました。番号だけそのまま次を挙げてしまい、分かりにくくて申し訳ないです。今後も気に入らず急に消える話があるかと思いますが(スガワラの技量の足りなさのせいで、今すぐ消したいような小説が今も幾つかありまして・・・^^;)・・・それをカバーできるようにたくさんアップできたらいいなあと思っております。よろしければまたいらしてください。ありがとうございました!

たくさんのコメントありがとうございました!好きでやっていることとはいえ、励みになります。

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お知らせ

たかめも。

仕事帰ってきてからすること!
・コメにおへんじさせていただく。
・たけやに萌える。
・長こへという限界点突破。
・あれ、伊作何処いった?
・伊助かわいいよ伊助
・はあはあたかまるはあはあ
・優タカ。


最近竹谷が可愛くて仕方がないです。そのうち某ばななさんの著書「ハチ公の最後の恋人」というタイトルをパクってリスペクトして何かかきたい所ですが、竹谷の相手が見つからない。
竹谷にちょうちょいっぱい群がらせたい。それでロマンチスト毒虫野郎孫兵に「竹谷先輩はちょうちょの国から来たプリンセスなんですね」って台詞を言わせた・・・くはない、別に。

くだらんことかいているあいだに出勤時間が来た。
とりあえずなにがいいたかったかというと、いただいたコメントには今夜中にお返事させていただきますということでした。

こんなめに君をあわせる人間は僕のほかにありはしないよ⑲

⑲巻物捜し、またはあいかわらずのふたり

「あったか」
潮江の問いかけに、食満は途方に暮れたように立ち尽くした。辺りには賊の持ち物が散乱している。賊たちは縛り上げて御堂の隅に転がしてある。
賊たちの捕縛は思いのほかすんなり進んだ。どうやら敵方の忍者隊は数人で、適当に言いくるめて賊を部下として使っていたらしい。脅しあげれば何人かの蛮勇は抗い武器を振り上げてきたので、殺さない程度に打ちのめした。それを見て強面の男たちはすっかり震え上がって大人しくなる始末で、無用な殺生をせずにすんだことは潮江と食満にとって僥倖だった。
しかし、賊たちは今回の仕事について実に何も聞かされていないらしい。どのように脅しても「手足になれば報酬をやるといわれただけで、目的については何も知らない」と言い張るから、ふたりは途方に暮れた。
「あいつ、殺すんじゃなかった」
食満が焦れたように親指の爪を噛んだ。煮詰まったときの癖だった。それを見つけて潮江が言い差す。
「焦るな。手はあるはずだ、考えよう」
潮江の様子はどこまでも冷静だった。戦闘能力だけとればふたりは互角だ。しかし、追い詰められたときの対処能力で差ができる。ここが、学園でも将来を優秀な忍者として期待されている潮江という男の剋目するべきところだった。
「しかし、・・・どうする」
「俺たちが見た”忍者”は何人だ。食満、お前が殺った男が一人。タカ丸さんを攫った男が一人。小平太が追っているはずの男が一人」
「御堂に残されたこいつらに忍者らしいやつはいなかった」
食満が部屋の隅に転がる悪漢たちを視線で指し示す。
「相手の目的はどこまでもタカ丸さんの捕縛に絞られているらしい。この寺も賊たちも捕縛が達成されたら捨てていくつもりだったのだろう。やつら、おそらくここに戻ってくるつもりはあるまいよ」
「ではここに巻物はない、か。しかし男の死体を漁ったがやはり巻物らしいものはなかったぞ」
「残りの忍者が持っている、という可能性は」
「なくはない」
それしかあるまい、と潮江は思うのだが食満はどこまでも懐疑的であるようだった。前方を睨み付けるような鋭い視線をして思考に耽っている。
「何が引っかかっている」
「俺が殺したあの男、タカ丸さんのことを喋らせたとき、一度会ったことがあるような口ぶりをしていた。・・・”
あいつが餓鬼のころにちっとばかし可愛がってやったことがあるのよ”。敵方の首領はあいつではないのか」
「小物に見えたけどな」
潮江はぼりぼりと首筋をかく。
「強さはなくとも、タカ丸さんに関して最も情報を握っているものだったとしたら?今回の作戦の首謀者という可能性は十二分にある」
「それがやられたので、仙蔵が追っている忍者が動き出した、というわけだな」
「お前が出し抜かれた忍者、な」
食満の言に潮江はむっとしたように眉根を寄せた。
「じゃあ巻物はここにあるってことか。しかし、」
「・・・しかし、技量が劣っているとわかっている首領に、巻物を任せるだろうか、か。確かに」
「何せお前如きに殺られるくらいの男だからな。端っから任せていない可能性は高いぞ。捨てるためのアジトに捨てるべく集めた賊たち。そして、技量に問題のある首領。ここに巻物を残す理由があるまい」
潮江の喧嘩を売るような言葉に食満がふくれっ面をする。そうして首をひねった。
「だがどうしても・・・」
潮江はため息をつく。食満は納得しないと次に動かない頑固さがある。ここに巻物があるにせよないにせよしらみつぶしに探しまくって食満を納得させるしか他に方はあるまい。
「仕方ない男だ、お前というやつは」
潮江はすたすたと歩き出すと、隠し持っていた組み立て式の槍を取り出した。
「他に探していないところは天井と地下だ。天井は後々この御堂ごと捨てることを考えれば当然隠さない」
捨てる、とはすなわち焼き払うことだ。
「燃えても平気なところ・・・地下、だな」
食満が頷く。袂から火種を取り出した。火縄の先に火をつける。
「さっさと焼き払って掘り返そう」
「ったく、穴掘りは小平太の専売特許だろ。だれかあいつ連れてこい」
転がされたままの賊たちは、どうやら寺を燃やすことになったらしい成り行きに、もぞもぞと動き始める。それを見下ろした食満の視線とぶつかった。
「おい、こいつらどうする」
食満はこれみよがしに大声を上げて潮江を呼ぶ。その背中は興味がないとばかりに振り返らない。
「ああ?めんどくせーな。その辺に捨てとけ」
賊の顔色がみるみる青くなる。食満がにやりと片頬を釣り上げた。
「だってよ」

***

賊たちは紫陽花の陰に捨てられて、皆恐怖に気を失っている。
「あったか」
潮江の言葉に食満は深く頷いた。
「あった」
煤の中、穴を掘りまくった。そのうち、壺が埋められているのを見つけた。金やら銀やらの財産の下に、埋もれるようにして一本の巻物。食満はおそるおそるそれを持ち上げると、広げた。
潮江も興味があるらしく、のぞき込む。
そこに書かれていたのは、ひとりの女だった。
美しい着物を着て、こちらにむかって神妙な面持ちをしている。口元にひかれた紅が妙に赤い。なにか、大切な儀式の日に書かせたものかもしれなかった。
「・・・なんだこりゃ」
「どこぞの姫君だな」
「これが、タカ丸さんの奪われた巻物・・・?」
「そういやこの女、よく見るとタカ丸さんの面影があるような・・・」
絵の女は助けを求めるようにこわばった面持ちでじいっとこちらを見ていた。

こんなめに君をあわせる人間は僕の他にありはしないよ⑱

拍手&コメントありがとうございます。時間を見つけてお返事もさせていただきたいです~!

自分設定横行。そういうのがお嫌いな方は避けてください。今回はちょっといちゃいちゃ成分あり。

⑱背中の傷、それから、ふたりの男

かつてふたりの男がその背中の傷に触れた。
そのどちらもが労わるような優しい触れ方だったから、タカ丸は、あのときの恐怖をいつの間にか忘れていた。決して忘れてはいけないものだったのに。
 

指さきが触れるか触れないか、まるで羽根のような軽さで、つうと背中を辿った。右肩から始まり、背骨を越えてそれは左の腰元まで続く。タカ丸はくすぐったさに身をよじると、声をあげて笑った。
「なに、兵助」
振り返ると、生真面目で優秀な忍者候補でもある恋人は眉根を寄せて神妙な面持ちで、タカ丸の背中をじいと見つめていた。そこで、タカ丸はようやく幼い頃つけられた醜い背中の傷に思い至ったのだった。それは、一見しただけでははっきりと見つけられない。しかしよく見て触れてみると、そこだけ蚯蚓腫れのようにわずかに赤く盛り上がっているから、傷があるのだとわかる。ふつうに切れたものならば、こんなふうに痕はつかない。人を切り付けるのに慣れた者が、計算をしてわざとそれを残したのだと見える。そんな傷だった。
「・・・事故?」
問い質す兵助の瞳は、息を呑むほど真剣だった。幼い頃に家族を亡くした兵助に守るものは少ない。喪失の痛みを絶望を知る彼は、自分の”守るべきもの”が傷つけられたとき、芯から凍りつくような冷え冷えとした瞳をする。誰がやった、と問うていた。タカ丸は口元を緩めると、朗らかに微笑んで、背中をなぞった兵助の指先を、包み込んで温めるように握った。
「事故」
兵助の瞳が少し揺れる。痛そうだ、とタカ丸は思った。
「・・・痛かった?」
兵助が問う。労わるように、もう一度指が傷に触れる。タカ丸は笑みを深くする。
「どうだったかな。・・・遠い昔だからもう、忘れちゃった」


タカ丸は暗い寺の中を走り回っていた。埃がうっすらと積もった床板は、滑りやすかった。タカ丸が転ぶと、男たちは芝居でも見ているように声をたてて笑った。そうしてタカ丸を弄ぶように囃したてた。
「ほらほら、早く逃げないと悪い鬼が君を食べてしまうよ。喰われたくなかったら逃げろや逃げろ」
タカ丸は痛む膝を抱えるようにして立ち上がると、震えもつれる足でまた逃げた。少し待ってから、男がそれを追い始める。片手には刀。タカ丸に振り下ろさんとばかりに構えている。
巻物の続きを持っていないというのなら、しかたない、俺たちと鬼ごっこをしよう。男は嘲笑うかのように言った。逃げ惑うタカ丸を見て、小動物を狩る猟の愉快を感じているようだった。タカ丸は暗闇の中狭い隙間を見つけた。子どもがようやく入れるようなそこは、今思えば仏像の背後だったのだろう。タカ丸はそのとき、男の気配が消えたことにほっと胸を撫で下ろした。しかし、しゃがみ込んで息をついたとたん、前からにゅっと二本の腕が伸びてきて、タカ丸を掴んだ。タカ丸は恐怖に声を失いその場に尻をついた。身体がひどく震えて嫌な汗が噴出した。
「掴まえた。遊びはおしまいだ」
黴臭い床に押し倒され、着物を向かれ、背中に刃物を押し当てられた。
「タカ丸、次はかくれんぼをしよう。君が何処にいても必ず見つかるように、俺が目印をつけてやる。さあ、君が鬼だ。せいぜい掴まらないように逃げたらいいさ」


暗闇のなか目が覚めた。心臓がひどく早く鳴っていた。肩で息をして、寝汗でぐっしょりと濡れた着物を気持ち悪く感じた。
「タカ丸さん」
隣で声がした。名を呼ばれ、タカ丸は驚いて肩を揺らした。振り返ったら、綾部が布団に包まったまま、タカ丸を見あげていた。
「悪い夢でも見ましたか」
「・・・ん。でも、平気」
「平気じゃないときがあってもいいんですよ」
綾部の声音はいつも、淡々としている。世の中のどんなことも、彼の前では等しくとるに足らないつまらないものになるようだった。タカ丸はそれに救われたような気がした。
「綾部、」
「はい」
「俺の背中の傷、見たことある、よね」
今日まで指摘しないだけで綾部はとっくに気がついていた。風呂や着替えの最中、それはいつでも目に入ったから。しかし、身体に傷を持つ生徒は忍術学園では珍しいものでもなかったのだ。だからこそタカ丸は遠慮なく仲間に背中を曝したし、綾部は無関心をよそおえた。
「・・・はい」
「一度ついた傷って、やっぱり消せないかなあ」
「痛みますか」
「ううん。・・・そうじゃなくて、これは目印だから、怖い」
タカ丸の言葉の意味が綾部にはまるで理解できなかった。ただ、タカマルはひどく思い詰めた瞳をして震えている。綾部の腕がすっと伸びて、着物の上から傷をなぞった。
タカ丸は振り払わなかった。それが、綾部にはどれほど嬉しかったか。
「大丈夫、私がいます」
「綾部」
「私がいます。だからあなたは何ひとつ恐れなくていい」


タカ丸は瞳を開いた。途端に光が彼の眼球をやく。
(・・・そうだ、鬼ごっこを終わらせなければ)


こんなめに君をあわせる人間は僕の他にありはしないよ⑰

⑰忍術学園の客人、そして、過去と秘密


一方その頃。
忍術学園にひとりの客人があった。事務員小松田秀作はいつものように、まるでそれが彼の宿命であるかのように入門票を抱え忍術学園の門を守っていた。そして、その客人を見るなり、人懐っこい笑顔を浮かべて
「お久しぶりです」と頭を下げた。「お久しぶりです、斎藤君のお父さん」



「いやはや、忙しいところを突然御呼び立てして申し訳ありませんな」
忍術学園学園長大川平次渦正は皺に隠れた顔をニィ、と笑わせ、小さな身体を屈託なくぺこりと折った。対面する客人は、斎藤タカ丸の父、斎藤幸隆である。艶やかな目元をした男で、顔の作りはタカ丸と似ていなかったが目元のあたりの不思議な艶が同じだった。幸隆は同じように低く頭を下げると、それから真っ直ぐ顔を上げて翁を見た。
「息子のタカ丸がいつもお世話になっております」
「ああ、いやいや。彼もなかなか学習を楽しんでおるようで。好奇心旺盛で、学ぶ態度が素直で大変よい」
「素質はございますかな」
幸隆はそういう言い方をした。つまり、忍者に向いているか、ということである。だがこの場合、オールマイティーになんでもこなせる忍者、と教義の意味で捉えたときには、大川は首を横に振らざるを得ない。タカ丸の年齢では既に運動技術の大半は出来上がってしまっていて、今更練習して体術や素早い身のこなしを見につけられるかといえばその可能性はほとんどない。だがそうした期待は、よもや幸隆もしておるまい。大川にはそれが分かっていたから、
「さよう」
と深く頷いた。
「素質はありまする」
幸隆は嬉しそうな表情はしなかった。長い息をひとつ吐いて、瞳を閉じた。
「私はできることならタカ丸を忍者にしたくはなかった」
庭の獅子脅しが長く響く。大川は茶を啜った。幸隆の茶はまだ一度も口がつけられないままだ。冷えたろう、と思った。だが新しいものを持ってこさせるわけにもいかない。
「七つの旋毛の男の件は、まったく失敗でした。タカ丸に知られるような事故でもなければあんなものはこちらで処理をして絶対に気づかせなかった。使者殿が何を血迷うたかタカ丸に声をかけましてな、”よう忍んで居るか”と。全く余計なことをしてくれる。あれは鈍感だが、分からぬ知らぬことを聞くとそれを知ろうとする好奇心の強さがある。すぐに私のところへやって来て訊いました。”忍んで居るか”とはなんだと。本当のことを答えずには済みますまい」
「そしてあなたは忍者の家系であることを忘れた振りをなさったのか」
幸隆はニィと笑った。
「タカ丸は忍者にならずともよい。父の幸丸は生前くれぐれもタカ丸に闇の道を歩ませるなと強く私に言っておりました」
「だが、そろそろ彼も負うた宿命から視線を外し続けるというわけにもいきますまい」
大川は立ち上がった。障子を閉める素振りをして、外の様子を窺う。そこに何の気配もないことを確かめると、部屋を締め切り、声を潜めた。
「タカ丸が何者かに狙われておる」
幸隆の瞳が剣呑に光った。タカ丸に何かあればお前をどうにかするとでも言いたげであった。
「六年の任務としてあります」
「生徒で事足りますかな」
「事足る。――と思うております」
「タカ丸は幸丸の生前にも一度狙われました。幸丸は我が系譜の秘密を守るのに、何も知らぬタカ丸を使いました。実は幸丸は以前勤めていた城のある重要な内部事情に深く絡んでおります。その詳細は私も知らない。タカ丸だけが知っている。タカ丸もそうと気づかぬ方法で幸丸が教え込みました。恐らく今回タカ丸を狙って居るのもその秘密を知りたがる者が正体でしょう」
「抜け忍の捕縛ではない?」
幸隆は小さく咽喉を鳴らす。「抜けておりませんからな。抜け忍の捕縛など、来る由もない」
「生前に一度狙われたと仰ったが」
「そうです。十になったばかりのころだった。タカ丸にはかどわかしに会ったのだ、とそう教え込んであります。だが事実はそうではない。何も知らぬ”と思っている”タカ丸から情報を聞きだそうとした。そのときひとつ、巻物を奪われている。だがそれだけ持っていてもあまり効果のないものだから、そのときは放っておいた。いつ他の巻物を奪おうとしても不思議でない」
「他の巻物」
「つまり、タカ丸のことです。奪った巻物を読み解くには、タカ丸のここがいる」
と、幸隆は長いひと差し指で、己のこめかみをとんとんと叩いた。


祖父に抱きかかえられ生還したタカ丸は泣いてはいなかった。蒼白な顔で、黙って震えていた。歯を食いしばっていて、それをやめさせるのに苦労をした。強く握りこんだ拳も不自然に力が入って解かせるのに苦労をした。
「タカ丸、怖かったな」
幸丸の腕から抱き取ったとき、タカ丸はようやくぽろりとひと粒涙を零した。
「怖かったな」
「・・・ごめんなさい」
「タカ丸は悪くない」
「ごめんなさい。じいちゃんにもらった、あの綺麗な巻物、とられちゃった」
幸丸の瞳がタカ丸の見えぬところで鋭くなった。だが口調は何処までも柔らかく、「なあに、いいのさ」といった。
「綺麗な絵が描いてあったからタカ丸にあげただけだよ。また別の、もっと綺麗なのを買ってあげよう」
「ごめんなさい。あれに描いてあったのは、俺の、ば」
「タカ丸」
幸丸の声が制した。低くゆったりとした口調だったが有無を言わせぬ重みがあった。タカ丸は口をつぐんだ。
「でも、歌は言わなかったよ」
「そうか」
幸丸は頷くと、何処ぞへ出かけていった。母親が来た。そのときはもう病気にかかっていたが、よろよろと走り寄ってきて泣きながらタカ丸に頬ずりした。
「タカ丸、」
その柔らかな声に誘われたか。タカ丸も声をあげて泣いた。
「怖かったよう」
背中を切られた、といった。伸し掛かられて、背中を切られた。
また来る、と男は言った。


(タカ丸、必ずお前とまた会うよ。)

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