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よいこわるいこふつうのこ

にんじゃなんじゃもんじゃ
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女の子なんかになりたくない

は組女体化。



実は三治郎ってば、可愛い顔しては組女子の中じゃいちばん運動神経がよかったりするのだった。

三治郎が振るったバットは、飛んできたボールをものの見事に打ち返した。スッコーンなんて気持ちのいい音が響いて、高い青空にボールが吸い込まれていく。
「凄い!三治郎ホームランだようッ!」
「えへへっ、わーい」
駆け寄ってきた同チームの伊助と両手を握り合ってぴょんぴょんと飛び跳ねる。体育のときだけ結んでいる三治郎のポニーテールがしっぽのように揺れた。細くて色白で、つぶらな瞳が繊細で儚げな女の子のようで。三治郎は一見するとインドアな大人しげな美少女なのに、想像を裏切ってたくましい。所属する陸上部では、毎年大会に出て、得意の長距離で好成績を収め続けている。
グラウンドを半分に割って、隣ではは組メンバーがサッカーをしていた。審判役にあたった団蔵はぼんやりと女子のソフトボールを見ていた。
「まぶしーぜ」
「何が、太陽が?」
虎若の言葉に団蔵がにやりと笑う。「決まってるだろ」
「まったまた~旦那のスケベ」
ふたりでちいさくひっひっひ、と笑いあっていたら、庄左ヱ門が注意しにふたりのもとへやってきた。
「ふたりとも、ちゃんと試合見てなきゃだめだってば」
「へ~い」
団蔵は軽い挨拶を放ると、やっぱり三治郎を見ている。もう一度バットを振りかぶる、その瞬間の三治郎の真面目な顔をじっと見ている。またもや綺麗な放物線を描いてボールが青空をかき分けていく。それをみて三治郎が嬉しそうに微笑むと、団蔵も口元をほころばせた。
「上手いな、三治郎、野球」
呟くと、「まあそりゃあ、」と後を続けたのは庄左ヱ門だった。
「三治郎、小学校の頃虎若と同じ少年野球チームはいってたんじゃなかったっけ?」
視線が、同意を求めるように虎若に向けられる。虎若は頷いた。
「そう、どうしても入りたいって何日もうちの父ちゃんに頼み込んでくるからさ、特別にオッケーしたんだ。小学校までなら、って。中学にあがるとき、野球チームからも抜けることになって、三治郎も悔しがってたよ」
虎若の父親は少年野球チームの監督をやっていた。虎若は小学校のときの三治郎を思い出す。あのときから、顔立ちは女の子らしかった。それなのに、何度断られても「野球をやらせてください」と頼みに来る姿を不思議に思いながらみていた。中学にあがるとき、野球チームの三治郎さよならゲームで、彼女は見事なホームランを決めた。みんなの前で笑顔で、「楽しかったです、ありがとう」と笑っていたけれど、帰り道では虎若の横で声を抑えて泣いていた。
「悔しい、なんで私男の子に生まれなかったんだろう」

「三治郎野球上手いんだな」
体育が終わって、団蔵が話しかけた。三治郎は微笑んで「ありがとう」といった。変に謙遜しないところが、団蔵にはとても好ましかった。
「小学校のときやってたんだって?」
「うん、私スポーツの中でも野球ってすごく好きなの。だから我が侭言って虎若のお父さんに入れてもらっちゃった」
「たいした戦力だったって虎若褒めてたぜ」
「ほんと?嬉しいな」
三治郎の視線が虎若を探す。彼は黒板消し当番の伊助を手伝っていた。伊助は背が小さいほうだから、黒板の上のほうは爪先立ちしないと届かないのだ。それを、虎若が高い背と長い腕でゆうゆうと消してゆく。
「すごい、」と伊助が褒める横で虎若が照れたように笑うのが見えた。
庄左ヱ門が伊助に何か話しかけようとして遠慮するのを見つける。ぼんやりと見つめていたら、そばで団蔵の声が三治郎の名前を呼んだ。
「三治郎、なあ、いいかな?」
「え、ごめん、何?ぼうっとしてた」
「ありゃ。せっかく俺、わりと勇気出して誘ったのに」
「え、なに?」
「日曜一緒にあそばねえ?」
「ああ、なんだ、そんなことか。いいよ。そんなの勇気出すようなことでもないじゃん」
は組メンバーは仲がいいから休日に一緒に遊ぶなんてよくあることだ。三治郎の言葉に団蔵は苦笑した。
「でも俺的には勇気が必要だったんだよ」
「どうして?」
「どうしてって、そういうことじゃん?」

・・・どういうこと?

きょとんとする三治郎を残して、団蔵は「じゃーな」と手を振っていってしまう。その少しはなれたところで、兵太夫がぼんやりそれを見つめていたことを、三治郎は気がつかなかった。

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花火大会の夜

リクありがとうございますー!

というわけで は組女体化。

花火会場に向かうまでの電車の中は、いつも以上に混んでいた。ぎゅうぎゅうと押し合い圧し合いする乗客たちの何人かは伊助たちと同じように浴衣を着ている。
「帯が崩れる、髪がほどける!」
悲鳴をあげる兵太夫に伊助と三治郎は苦笑いした。喜三太は乱太郎の袖に掴まって心ここにあらずな表情でぽやんとしている。伊助のうちに集まって浴衣の着付けをしてもらった後、みんなで揃って花火大会に連れ立った。は組の男メンバーはもうついているだろうか。きり丸あたりが「遅い」といって怒るかもしれない。
「すごい人だね」
「ね。しかもカップルばっか」
「そりゃあねー」
ささやきあう中で、乱太郎が心配そうに喜三太を覗き込む。
「どうしたの、調子悪い?」
「ううん。金吾が、・・・」
「金吾?ああ、今日は一緒に行けなくて残念だったね」
金吾は今、剣道部の合宿で他県に出掛けていた。今日花火大会には一緒に来られない。そのことを寂しがっているのだろう、と納得する伊助に、喜三太は曖昧な表情で首を振った。
「ちがうの」
「え、何が違うの?」
「花火大会に一緒に行けないのも辛いんだけど、それで落ち込んでるんじゃないんだ・・・」
「どうしたの」
「金吾はよく向こうからメールをくれるんだけど、昨日は部活が終わった後みんなで花火をやったんだって。そのシャメが送られてきたんだけど・・・」
「けど?」
喜三太はごにょごにょと口を動かし、結局何も言わないまま「やっぱ言わない」といった。これにはみんなの非難が集中する。
「喜三太あ~」
恨めしそうに名前を呼ぶ兵太夫に、喜三太は困った顔をする。
「だってみっともないんだもん」
「何が?」
「みっともない?」
「どういうこと?」
「・・・金吾には内緒にしててね。金吾のくれた写真に、金吾といっしょに可愛い女の子がうつってたの。いっしょの部活の子って、そんなことは分かってるんだけどさ、でもなんか、いやだなあって思っちゃって。最近このことばっかり考えちゃうんだ」
話を聞いた四人は顔を見合わせる。
「それは恋ね!」などと兵太夫あたりが騒ぎそうだとメンバーのだれもが思ったが、兵太夫は気まずそうに「それは気になっちゃうよね」と同意しただけだった。喜三太には恋の自覚もなさそうだから、からかえないのかもしれないな、と伊助は思う。
今日の髪型は、わざわざ予約を入れてタカ丸に結ってもらった。
「伊助なら予約無しでもよかったのにー」
と笑う彼女は、花火大会に向けて気合を入れて髪形を変えてくる客を捌くのに忙しいようだった。
「今日の花火大会にはいかれないんですか」
「こういうイベントの日はね、特に忙しいから、店の手伝いをすることに決めているんだ」
「ちょっと残念ですね」
「まあね。私の分まで伊助は楽しんできてね」
そう微笑んだタカ丸だって、やはり喜三太のような思いを抱えていたのだろうか。彼女に誰か好きな人がいるだろうことを、伊助は薄々感づいていた。その誰かが、タカ丸の知らないところで楽しむのだ。隣にどんな可愛い人や綺麗な人がいるのかもしれなくて。その人と、楽しそうに笑いあって、想い出を作るのだ。庄左ヱ門で同じシチュエーションを想像したら、胸が苦しくてたまらなくなった。
「喜三太せっかく可愛い浴衣着たんだから、ちゃんと金吾に写真送りなよ」
三治郎が微笑んだ。
「そうそう、思いっきり楽しくしているところを送りつけてやきもきさせてやりなよ!」
兵太夫の案に、それがいいと乱太郎も伊助も笑った。

虫愛ずる姫君

拍手で女体化に賛同してくださったかた、ありがとうございますー!

そんなわけで生物委員女体化(竹谷、孫兵)。

街の噴水に儚げな美少女がひとり、腰掛けている。
黒いレースの日傘を差してほっそりとしたミルク色の肌を強い太陽光から隠している。薄い綿地のワンピースが涼しげだ。少し俯いた顔が憂鬱げで、物思いに耽った様子がひどく同情を誘う。
そんな様子だから、先ほどから彼女はひっきりなしに見知らぬ男性に声をかけられている。
「誰か待ってるの」「どうしたの、何か困ってるの」
少女は黙して何も語らない。ただ、一度、強面の男性に無理に腕を引かれたことがあった。
「やめてください、こまります」
少女の懇願も無視して、無理に攫おうとする。
「やめてください。本当に・・・あなた、怪我をしますよ」
少女の言葉に、男が胡乱な瞳を向けた。そうして、悲鳴をあげた。いつの間にやら、少女の足元に、肩に、蜂やら蛇やら蠍やらといった毒虫たちが集まってきているのだった。それはまるで少女を守ろうとしているかのようだった。男が慌てて逃げていってしまうと、少女はまた、溜息をついて、噴水に腰掛ける。
やがて、ひとりの少女がその少女の前に現われた。こちらは日に焼けて色が黒く、ごわごわと強そうな髪をポニーテールにしている。
「孫兵、泣いてないか?」
「竹谷先輩」
儚げな少女ははらはらと涙を流した。「ジュンコが逃げちゃったんです・・・!」
「うん、はやく探さなくちゃな!」
「どこかで怖い目にあったりしていないかしら」
孫兵と呼ばれた少女はきゅっと竹谷のセーラー服の裾を握った。竹谷は孫兵を抱き締めて
「泣くな、孫兵。あたしがすぐに探し出してやるから」
とあやした。その異様な光景を、通りすがりの人たちは少し遠巻きに見守っている。

カツ丼談義

伊作、仙蔵、小平太、女体化。


「腹減った」
と仙蔵が言った。文次郎の一歩先を歩いている。
「腹減ったぞ、文次郎。なんか美味い店は無いのか」
「うるせーな。女が腹減ったって言うな」
「腹が減った」
「馬鹿、この猫かぶり!」
仙蔵は文次郎の前でだけ口が悪くなる。とても我が侭になる。文次郎が、「オイ」と立ち止まって声をかけた。仙蔵が振り返る。
文次郎の親指が、くいっ、と通りに並んでいる店の一件を指差した。それはカツ丼屋だった。
キャベツおかわり自由、と張り紙がしてある。
「女をカツ丼屋に誘うな、阿呆。やり直しだ」
仙蔵の容赦ない蹴りが飛んできた。


「ちょ、う、じーッ!!」
放課後を過ぎて下校時刻の音楽が流れ始めるころ、土ぼこりにまみれた少女が図書室に駆け込んでくる。長次は読んでいた本を閉じた。今は、カミュの『異邦人』を読んでいる。
「部活終わった!帰ろう!」
高いところで結ったポニーテールがふわんと揺れている。汗と土の匂いがする。それから、制汗スプレーの偽物めいた強い甘い匂い。初めはそんなものつけなかったのに、伊作か仙蔵かにつけろと言われたらしい。
「汗の匂いそのままにして長次のところいくなんて恥ずかしくないの!」
別に恥ずかしくないもーんと笑っていたはずが、どういう心境の変化でつけはじめたのだろうか。長次は聞いてみたくて仕方がないような気がしている。
玄関を出ると、もう七時を過ぎているのに、夕陽が眩しかった。
「腹減ったなあ、長次、なんか食ってこー」
「・・・」
小さく呟かれた声に、小平太ははじけたように笑った。
「女をカツ丼屋に誘うやつなんて最低だって仙ちゃん行ってたぞー!うん、まあ、カツ丼食いにいって喜ぶ女なんて私ぐらいのもんだな。長次、私以外の女カツ丼屋に誘ったら駄目だぞ!」
長次は夕陽に目を細めて低く呟く。
「ああ。お前だけだ、お前だけ」


「カツ丼食いに行くか」
と食満が言ったので、伊作は笑ってしまった。なんだ、と目の前の男は不審な顔をする。
「いやさ、この間のカツ丼談義を思い出したから」
「?」
「仙蔵が女をカツ丼屋に連れて行くことをどう思う、というからさ、そのことについてこの間は盛りあがったのさ。小平太は自分は誘われたら嬉しいといって、でも仙蔵は最低だというから」
「お前はどう答えたんだ」
「うーん、誘われたことは嬉しいけれど、カツ丼屋というのがロマンの欠片もなくて嫌だねといった」
食満は胡乱な眼をして伊作を見た。
「何言ってやがる、お前が。ロマンチックに誘われたきゃ内省してからにしろ」
「あはは、そりゃそうだ」
伊作は笑いながら、持っていた石焼いもをほっくりと食んだ。

カツ丼召しませ

雷蔵とタカ丸、女体化。でもふたりは不在。


ボリュームたっぷりのカツ丼を口いっぱいに頬張りながら、もぎゅもぎゅと久々知は話す。
「あーあ・・・どうして断られちまったのかなあ」
先ほどから出る言葉といえば、情けないような愚痴ばかりだ。三郎は向かいでおかわり無料の千切りキャベツの追加を店員さんに頼んでいる。それから、「や、断られるだろ、ふつう」と言った。
「年頃の女にカツ丼が美味い大食いの店がありますから一緒に行きませんか、って、来るはずないだろ」
先日、久々知は年上の想い人斎藤タカ丸に、このカツ丼屋を紹介して見事玉砕したと言うわけだ。
「んと、今ダイエット中だからごめんね」
「太ってないのに」
なんて会話も虚しく、斎藤は来なかった。
「女の喜ぶ店に誘わなきゃな。しかも相手は大学生だよ?落としたいなら尚更だよな」
「女の喜ぶ店って例えば?」
「イタリアンとかフレンチとか、ビュッフェだろ、・・・あとは・・・」
「もういいよー・・・」
あーあ、と久々知はもう一度溜息をついてどんぶりの底に残った白飯を掻き込む。
「雷蔵は喜んで食ってたのになー」
「 ゚ ゚ ( △ ;) ―――は?」
三郎の動きが止まる。顔を上げてまじまじと久々知を見た。
「は?なになになに、今なんつった?え、なに?えっ、雷蔵?」
「雷蔵は喜んで食ってたのにって」
「ちょっと待て、なぜ雷蔵?えっ、食った?つまりお前、雷蔵を誘っ、た・・・?」
「ああ。下見にな。付き合ってもらった」
ぽろろん、と三郎の指から箸が落ちる。
「えーッ!?」
「行儀悪いぞ、三郎」
「なんでそういうことするんだよ!雷蔵をどっかに誘うときは俺通してからにしろよ!!」
「お前は雷蔵の事務所かよ」
「ばかーッ!雷蔵は俺のなのにい!(泣)」
ギーッ!と奇声を発して悔しがる三郎を前に久々知はキャベツの千切りを食みながら、「タカ丸さん(泣)」と嘆いている。
それからふたりは何かを吹っ切るようにカツ丼を二杯おかわりし、帰っていった。

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